私は走った…
無我夢中で…………―
ゆうが忘れられないのは
自分の心が
弱いからなんだよ…
曲がり角をまがった。
「…はあはあ…」
息があがる。
どうしてあんなの
見なきゃいけないの…??
「あら?空さんじゃない?」
「……紅葉ちゃん!!!!!」
そう。あの悪魔。
あの時から「空さん」
って呼んでくれるように
なったの。
「…最近お兄ちゃんとはどうなの…??」
「え……。あの…ゆうはね…。付き合ったんだよ?…」
紅葉ちゃんの目が
見開いた。
「…うそでしょ…??そんな……」
「紅葉ちゃん…落ち着いて」
「…とでも言うと思った??」
………………へ?
「お兄ちゃんが付き合ってるのは知ってるわよ!」
「…だから、こ〜んな変装までしてあとをつけてるのよ!」
と言って服をみせた。
少し長い黒のコート
…まあ一応半袖笑
帽子をかぶり
眼鏡をかけ……
と、まあ昔ながらの
変装というか…
でもバレバレというか…


