「お前のことが、好きだ。」


君はひどく驚いた顔をしていた。


「ふたりでいてほしいんだ。
ずっと。」

自分が何を言っているのか
わからなくなりながらも、
言葉を紡いだ。


そのすべてを聞き終えた君は、

「ごめんなさい。」

そう言って、あの日のように、
丁寧に頭を下げた。


直感したことをそのまま口にした。

「田野…か?」


君は小さく頷いた。


僕は目の前が真っ暗になた気がして、
その場に倒れ込みそうな思いだった。



けれど、15才の男としてのプライドが、
それを許さなかった。


必死で強がって、

「うん、わかってた。
今からまた、友達だ。
よろしくな。」

と手を差し出した。


君はゆっくりと近づいてきて、
僕の手を握った。