「だけど竹刀持ってたぜ……」



伊達男が私の竹刀を差せば、
一気に緊張感の漂う空気になった。 なにしてくれてんのよ馬鹿男〜!
おかげでなんか警戒されてるし…
どうしよう私、どうやって切り出せば…




「えーっと…… 君、名前は?」


「名前を聞きたかったらまず、貴様から名乗れ!」


ひゅっと竹刀を素早く掴み、男の喉ぎりぎりの所まで突き立てた。
どうだ!剣道一筋16年、伊達に全国大会で優勝してないわよ!



「へぇー、案外やるなぁ。この女」


「タンマタンマ;わかった、
俺は徳川 茂!今年から南校の生徒になったんだ」



徳川―… ますます幕末だ。
まさか徳川家の子孫?!いや、こんな爽やかなハズがない!



「私は小河原 ユイだ。今年からこの高校に通うことになった」


「アレ、なら同じじゃん。
てかさーなんで竹刀?」

「昔剣道やってたからだ!貴様、名は!」



びしっと、次に伊達政宗似の男に竹刀を向けるが飄々とした態度は変わらず答えた。