「あぁ!なんでそこで避けないのよ!
反射神経悪ッ! 不良なら避けなさいよ!」
ハイ、木陰からダメ出ししてます。
多分あのネクタイの色は…
近隣の北校の生徒。ここら辺ってどうも治安が悪いんだよね―… 嗚呼、そんな所にきた私も馬鹿!
「どうしようっ、これじゃあ負けちゃうし…手ぇ出したほうがいいかなっ」
勝負に負けるなんて嫌よ!
だけど… はっきりいって北の連中のほうが人数は多いし… うちの学校の連中が次々にやられてる! あぁもうっ、こうなったら見てらんないっ
だけど、次の瞬間、
私はその速さに目を奪われた。
「やった!真木さんが来たぞっ」
「真木さんっ!!」
キレのある強い瞳、竹刀もないのにまるで右手にあるような素早さ、
動くたびに揺れるミルクティ色の髪…
私が憧れてやまない、あの方に似ている!
―――ドゴォォオッ
「やったね徹!相変わらず強いな〜っ」
「ふん、なかなかやるな?徹」
幕末、新撰組の凄腕の剣士―…
「………まぁまぁかな」
沖田総司に!!
