「…ッ。」

「陽菜ッ!?」

陽菜は目を覚ました。

「陽菜、大丈夫か? 頭痛しない?」

「…うん。あたし…倒れたの?」

「うん。看護士さんに陽菜が
目を覚ましたら今日は帰れって
言われてるから、今日は帰るね。」

俺はそう言うと立ち上って言った。

陽菜はうなずくと手を振って見送ってくれた。

あの時気づけば、
少しは陽菜を守れたかもしれない。

そんな思いを俺は頭にかすめながら
病室を後にした。