美代先生は陽菜ちゃんの好きなように
すればいいと言ってくれた。
両親もあたしの意思に
任せると言ってくれてた。
「美代先生。私、抗がん剤使います。」
「いいけど…副作用が出るわよ?
髪の毛が抜けちゃうし…吐き気も出る。
陽菜ちゃん、学校行ってるんでしょ?」
「はい。だから今使うんじゃなくて…
このままにしててもいつかは
入院しなくちゃいけないだろうから
入院したら使わせて下さい。」
美代先生は腕を組み、
組んでいた足を元に戻した。
なぜこの方法にしたか?
それは自分のためでもあるけれど…
侑太のためだった。
今まであたしは何も
侑太にしてあげれてない。

