駿平は俺の肩を掴んで言った。

駿平の手には少しずつ力がこもる。

「わりぃ…、んで?
 治るんだろうな?そのガン。」

駿平の言葉に俺は詰まった。

なんて答えればいい?

嘘つくべきか?

でも俺は正直に言うことにした。

駿平は俺の親友だ。

俺は病院で言われたことを
全て駿平に話した。

話している最中、
何度も視界がうるんだ。

でも駿平は笑いもせず、
静かに頷きながら聞いてくれた。



今思えば、こいつが居なければ
あの時の俺はもっと陽菜の病気に
正直に向き合えなかっただろう。