明日香には家の事情を
話してある。
でも、早く帰りたいのは
家事をしなくちゃ、とか
父には頼めないから、とか
洗濯物が湿ってしまうから、とか
そういうわけじゃない。
明日香は、
あたしが忙しいだけだと
思ってるらしいけど…。
あたしが早く帰って
家事を済ませておかないと
アニメを見る時間が遅れてしまう。
っていう、
本当の理由はそれ。
明日香には秘密だけど。
「んじゃ、おやすみ!」
「うん、おやすみー」
父とこの挨拶を交わしても
あたしが本当に寝るのは
まだまだ先……
やっとあたしの時間。
それは1日の疲れを明日に
持っていく事になってしまっても
欠かす事が出来ない。
あたしの一部というか、
もう身体に染み込んでしまった
あたしの生活リズム。
これをしなくちゃ寝れない!
ってくらい、大切で大好きなんだ。

