先生には、
気に入られてるつもりだった。
志望校に送る調査書は
もう完成しているから
書き換えられる事は無いのが
不幸中の幸いってやつ。
この辺りでは有名な進学校に
受験が決まっていたから
先生も背中を押してくれてた。
信用が、大事だったのに…
失った信用は、簡単には取り戻せない
気付いたら、父が職員室で頭を下げていた
「本当にすいませんでした…!」
「いやー日和さんの様な優秀な生徒が
学校にこんなものを持ってくるなんて…
魔がさした、といったところでしょうが
学校も日和さんには期待しているんです。
それをこんな下らないもので
裏切られてしまっては…、困るんですよ。
以後、こういう事の無い様
ご指導お願いします。
同じ教員として、お父さんの事も
私は尊敬しているんですから。」
悔しかった。
教室を出る時に笑われた事。
父が謝っている事。
下らないと言われた事。
全部、全部…悔しかった。
何も分かっていない担任が、鬱陶しかった。
父に何を言われるのか…
失望されるかもしれない…
色々な事が頭に浮かんだ。

