部屋には、
ポスターやらマンガやらが散乱している。
「あ…」
でももう遅かった。
「っじゃまっしまーすっ!」
明日香は靴を脱いで、
真っ直ぐあたしの部屋に向かった。
1度だけ。
明日香はうちに遊びに来た事があった。
その時は、部屋のグッズは1つ残らず
片付けてたんだけど…。
あたしは諦めて
ビクビクしながら明日香の後をつけた。
「………」
ドアを開けたまま、立ち尽くす明日香。
やっぱり、引かれた…?
「すっごーい!よく集めたね!
あ、このマンガ!読んでいい?」
明日香の態度に
嘘は見えなかった。
「あ、うん…」
初めて見る筈のこの部屋に
まるで見慣れているように普通に
明日香はベッドに寄りかかって
マンガを読み始めた。
本来のこの部屋の姿。
そこに人が居るのは初めてで
あたしは自分の部屋なのに
どこに座っていいのか分からなかった。
「日和が心配で、
学校サボって来ちゃった」
明日香はマンガに目を向けたまま言った。

