約束。
そんなもの
あたしはリビングから出て
部屋に戻った。
「もー…」
こんなにぐちゃぐちゃ。
あたしは片付けが苦手みたい。
ベッドに倒れ込んだ瞬間、
インターホンが鳴った。
ピーンポーン、ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポーン
しつこい…
まだ少しだけガンガンする頭
軽く抑えながら
あたしは玄関の戸をあけた。
「っす!」
そこには、
手のひらをこちらに挙げた明日香。
「あ、すか…?」
下駄箱の上の置き時計をみたら
12時を回った辺りを指していた。
普通に、授業をしている時間だ。
「どー?」
いつもと変わらない態度で、
明日香は少し背伸びがちに
あたしの額に触れた。
「ん〜…まだ熱があるねぇ。あがってい?」
何も話せないまま
あたしは目の前に居る明日香に
戸惑いを隠せなかった。
「どーぞ…」
と言ってからハッとした。

