勘違いしないでよっ




「うん、ごめん…。」


あたしがそう言うと
父は困った顔で笑った。

「なんで謝るの?
体調管理が出来なかっただけで
僕は怒らないよ」

「そう、だね…」


父はいつも優しい。
こんなにダメなあたしを、
咎める様な事は絶対に言わない。


「でも。
言いたくなったら、言ってね?
行ってきます。」

何も言う暇もなく
静かにドアは閉まった。


お父さん…
どうして分かるの…?
あたしは何も言わないのに…

お父さんを心配させないように…
あたしは何も言わないのに…



そう思うと、また涙が出てきて
頭が痛くなった。

もう少し寝ようと思って
あたしは布団をかぶり直した。



また同じ夢は、見なかった。

あたしはここに居られる。
父があたしを理解してくれる。

だから学校になんて行かなくても