勘違いしないでよっ



海斗は黙って
あたし達のやり取りを
見ているだけだ。


「なになに?桃香、
神埼さんの事知ってるの?」


ギャルAは桃香と知り合いなのか、
桃香に尋ねた。

「知ってるっていうかぁ~
ね、神埼日和?」


意味深な言い方。
ギャルAが追求しないはずがないのを
知っててやってるのが
バレバレだ。


「中学が一緒だったの。
でさー、神埼ったらすっごいオタクでー
地味でキモかったんだよ!
今は隠してるのぉー?」



やめて…
あたし、頑張って隠して
新しくスタートしたばっかだったのに…


「いじめられて、
学校来なくなったんだよねー」


なんでこいつのせいで…
あたしは何にも悪くないのに。



パシンッ!


気付いたら、叩いてしまっていた。
身体が反射的に、動いてしまった。

それ以上言うな、ばらすな

その一心で…


「ったぁ~い…何すんのよ!!」