目を閉じていると前の席で動く気配が・・・
目を開けると小関さんが笑顔で俺を見つめていた。目が合う。その直後慌てて彼女は行ってしまった。
またため息が出る。俺はそのまま、今日のスケジュールの確認に入った。
京都到着のアナウンスが入る。
それを合図に、頼子さんと小関さんは降りる用意を始める。
降り際、頼子さんから
「黎くん、また遊びに来なさいね!おいしいお菓子用意しておくから♪」
と、お誘いを受けた。
「わかりました、頼子さん。行かせていただきます。」
当たり障りのない返事をした。
小関さんは、会社にいるときのように
「失礼します!」
だけだった・・・
新幹線が動き出し、ホームに降りた2人に手を振った。
俺の目は、小関さんを見つめていた。