扉の開く音が聞こえ、誰かが入ってきた。

振り向くと、永森さん・・・

「ごめん・・・。時間までに終わらなかったんだ。」

「すいません。」

「謝ることないよ、僕が頼りすぎたんだし・・・」

「すいません・・・」

せっかく頼りにしてくれたのに、その期待に応えられなかったことに悔しくて、涙が出てくる。

俯いたまま、声をこらえて唇をかみしめていたが、涙が一粒落ちてしまった。

「でももう終わりましたから、月曜日の仕事には支障ありません。」

なるべく平静を装って言ったが、涙を見られるのがイヤで顔を上げられなかった。