もう一度、カップを口にする。 仕事の後の香りの良い紅茶に気分を良くして、自分の世界に入っていた。 永森さんの顔が目に入る。 私を見てほほえみを浮かべていた。 思わず顔が赤くなる。 永森さんが急に立ち上がり、私のとなりに腰を下ろした。 「絢乃!」 永森さんの方に顔を向けると、顔が近づいてきた。 今度は目を閉じる。 二人のくちびるは静かに重なった。