後ろを振り返ると、兄貴がニヤニヤしている。 「なんだよ!」 「いや!良いもの見たなと思って!」 更にニヤニヤしている。 「あー!別にいいけど。」 「いいなぁ。俺も言いてぇ!」 「誰に?」 今度は俺がニヤニヤして聞いてみた。 「えっ?・・・」 「だから、誰に?」 「・・・・・・・・。誰でもいいだろ!」 コン、コン、コン 「お時間でございます。」 時計を見ると1時5分前。返事をしてネクタイを結び直し部屋を出た。