家に帰り、和服に着替え、茶室に行くとお茶の石長 頼子先生(いしなが よりこ)が待っていてくれた。

待たせてしまったことを謝ると、先生は、

「あら、私が早く来すぎてしまったのだからいいのよ!お母さんと話をしてたし。絢乃さんの方が大変よね!わざわざ働かせなくても良いのに・・・」

と言ってくれる。

先生は父の幼なじみで父にズバッとものが言える数少ない人なのです。

お稽古が終わり、先生を玄関まで送って自分の部屋に戻った。