絢乃を送って、一人ハイヤーの中
考えることは、絢乃のことばかり・・・
円城寺はちょっかい出すし・・・
あー絢乃とずっと一緒にいたい。
「到着しました。」
運転手が到着を告げる。
着いた場所はホテルではなく自宅。
明日、永森グループの役員会があるので、朝から本社に行くため父親に呼ばれていた。
ニューヨークから帰ってきて、一度も帰っていなかったので、本当に久しぶりに門をくぐる。
玄関のドアを開けると母親が飛んできた。
「黎ちゃん!おかえり〜
遅かったじゃない!会社忙しいの?○△×※・・・」
母親は話し続けているが、頭の中は絢乃のことでいっぱいだ。
「黎ちゃん!きいてるの!!」
母親がついに怒り出した。
「聞いてますよ・・・疲れたので部屋に行って休みますね」
「黎ちゃん!」
母親はまだ話したいようだが、そんな気になれない・・・
階段を上がり、自分の部屋に入る。
玄関では、母が
「男の子なんて嫌い!」
と叫んでいたが、聞こえるわけもなく、ドアに寄りかかったままネクタイを緩めた。
