それを見た永森さんが立ち上がり、わたしたちの間に立って私の前に立ちふさがった。私の視界は永森さんの大きな背中に覆われた。
「これは俺の!」
「いいじゃん!手にキスくらい挨拶じゃないか。」
「ダメ!触らせない!」
「はいはい、ごめんよ。おまえの大事なフィアンセ様だもんな!」
「お、おまえ!・・・」
ここから永森さんの顔は見えないけれど口ごもっている。円城寺さんは笑みを浮かべてるようだし。
どうしよう・・・
ふとテーブルに目を移すと、アイスが溶けかけている・・・
「アイス溶けちゃった・・・」
小さな声でつぶやいたつもりだったのに、永森さんには聞こえたらしく振り向かれてしまった。
「ごめん・・・」
「あぁ、新しいものに替えるよ。」
円城寺さんにも聞こえていたらしい。すぐに給仕の人がお皿を下げていった。
気をそがれたのか、二人とも私の方を向き
「ごめん・・・」
「ごめんね。」
と謝ってくる。私は、
「いえ、なんともないんですが、もったいないと思って。」
「俺が悪かった。ごめん!大人げなかった。」
永森さんが再度謝ってくる。
「そんなに謝らないでください。」
「ごめん・・・」
しょぼくれている永森さんに
「デザートを食べましょう!」
にっこり笑うと少し気を取り直したようだ。
ちょうど、新しいお皿に乗ったデザートが運ばれてきた。
