「おう!来たか。」
「うまかっただろ(ニヤッ)」
「さすがだな。」
「だろっ!」
永森さんとシェフが話をしている。
私は、二人の会話を聞きながら、ティラミスとにらめっこをしていた。
突然
「この店でおまえが女を連れてるの初めて見た!驚き!」
「あぁ、紹介しようとおもって連れてきた。婚約者の小関綾乃さんだ。」
「婚約者!?おまえの?じいさんが決めた?この前婚約者なんて断ってやる!って、ここで暴れてなかったっけ?」
「あぁ、あれは絢乃だって知らなかったからな・・・」
「ん?婚約者だって知らないうちからつきあってたのか?」
「そうじゃなくて、うちの会社の社員なんだ。」
「社員に手を出してたのか?」
「おまえに話をしていると先に進まない・・・つまり、絢乃はKOSEKIのお嬢様でなぜかうちの社員として働いてるんだ。」
「KOSEKIのお嬢様か。なら納得だな。」
ティラミスとにらめっこをやめ、私は立ち上がって
「はじめまして、小関絢乃です。お料理とてもおいしかったです。ありがとうございます。」
「こちらこそ、はじめまして。この店の共同オーナー兼シェフの円城寺 司(えんじょうじ つかさ)。以後お見知りおきを」
優雅に微笑を浮かべつつあいさつされ、私の手を取り手の甲にキスをおとす。
