部屋に入るとテーブルが一つ。

テーブルの上には2人分のテーブルセッティングがされていた。

支配人が椅子を引いてくれる。

椅子に座るとすぐにソムリエがシャンパンを持ちやってくる。

栓を抜き、グラスに注いでくれる。

「もう一度、乾杯!」

チン!

シャンパングラスの触れ合う音がする。

一口飲むと甘口で飲みやすい。

さっき疑問に思ったことを、お料理が運ばれてくるまでに聞いてみよう。

「永森さん、支配人がオーナーって呼んでたんですけど・・・」

「あぁ、この店は大学4年のときに友人と始めたんだ。」

「ここってミシュランガイドに載りましたよね!」

「そうだね。シェフは一緒に始めた友人なんだけど、3年半フランスで修行して戻ってきたときに、たまたま店を開こうって話になって作ったんだ。あとで紹介するよ。」

「あっ、はい!すごいですね!」

「この店のことは、じいさんと親父は知らないと思うよ。」

「そうなんですか・・・」

私には、なにをどうしたらミシュランガイドに載るお店を大学在学中に作れるのか不思議だ。

そんなことを考えていると扉が開き、前菜が運ばれてくる。