重厚なドアを開け中に入る。

「いらっしゃいませ」

お店の支配人らしき人が出迎える。

「オーナー!」

そういうと、すぐにそばまでやってきた。

「支配人、すまないが個室空いてる?」

「ちょうど空きましたが準備いたしますので、カウンターバーの方でお待ちいただけますか?」

「わかった。」

支配人についてカウンターバーに行く。

席に座るとバーテンダーのおじさんが注文を聞いてきた。

「何がいい?」

永森さんが聞いてくれる。

「お酒弱いんで、ノンアルコールがいいです。」

「じゃあ、シャーリーテンプルとヘネシーをロックで。」

「かしこまりました。」

バーテンダーのおじさんは優雅に作り出した。

そういえば、さっき支配人、永森さんのこと『オーナー』って呼ばなかったっけ?

あとで聞いてみようかな。

そう思っていると、目の前にグラスが置かれる。

「遅くなってごめんね!とりあえず、お疲れ様!」

グラスを持った永森さんが言ったので、私もあわててグラスを持った。

チン!

グラスの触れあう音が響く。

一口飲むと、甘くておいしい。

「これ美味しいです。」

素直にそういうと、

「よかった!」

永森さんの笑顔が降ってきた。

支配人がやってきて、

「お席の用意ができましたので、こちらに。」

「行こう!」

「はい!」

永森さんが立ち上がったので、私も立ち上がった。