スペイン坂を通り、PARCO前に。

すると、永森さんの姿が目に入った。私の心は躍る。さくらさんも気がついたらしく、肘でつついてくる。

永森さんがこちらを向き、私を見つけてくれた。

「お疲れ様です!すいません、絢乃借りちゃいました!」

「お疲れ!ありがとうなっ!」

「いえいえ、この貸しは後日いただきます。」

なんて永森さんとさくらさんの会話が続いている。

プップー!

公園通りに黒のBMWのRV車が止まった。さくらさんはそれに気づき

「彼が迎えに来たので帰ります。じゃあ、おやすみなさ〜い!」

私の耳元に来て、

「がんばんなさいよ!」

と紙袋を渡してきた。紙袋を見るとさっきいた下着屋さんのもの

「さくらさん!これ!」

さくらさんは、ニヤッと笑いながら

「じゃあね!また明日〜!」

と行ってしまった。

腑に落ちない私を永森さんがやさしく見ていた。