ホテルの前に停車していたタクシーに乗せられる。
「あっ!言ってなかったんですが、会社で私がKOSEKIの娘だと知っているのは、会長と人事部長と、そして永森さんだけなので・・・」
「分かってるよ!じゃあ気をつけて!」
タクシーの扉が閉まり走り出す。振り返ると永森さんは笑顔で手を振りながら会社の方に歩き出した。雨は止んでいたようだ。
永森さんが見えなくなり座り直す。はぁーと大きくため息。
よかったと思う気持ち半分、残念だったと思う気持ち半分。
永森さんが私の婚約者・・・まだ少しピンとこないけど、なんだか良かった!顔がほころぶ。
