その時、永森さんの携帯が鳴った。 永森さんはゆっくり起きあがり、大きなため息をひとつ吐いた。 それからゆっくり携帯に手を伸ばす。 着信者を確認して電話に出た。 「はい。うん、分かった。20分で行くから・・・」 電話を切り、また大きなため息。 「ごめん。会社に戻るわ。トラブってるらしい。」 「私も行ったほうがいいですか?」 「来なくていいよ。こんな時間だし。」 腕時計を見ると9時半だった。