2時間が過ぎ、デザートを食べ終わった頃、会長が、
「黎、絢乃さんを送っていきなさい。わしはもう少し小関さんと話をしてから行くから。」
「はい、わかりました。」
永森さんの声がまだ険しい。永森さんが立ち上がったのを見て、会長とおじいさまに挨拶をして、かばんを手に立ち上がった。
永森さんの後について店を出る。雨は小降りになっていた。
会長の車が玄関先につけてあり、永森さんはドアを開け私を先に乗せる。その後に乗り込んできた。
ドアが閉まり、運転手に自分のホテルに向かうように指示し、そうやく私に話しかけた。
「じいさま達にはめられた。」
大きなため息をつき、落ち込んでいるようだ。私は驚いたけれど永森さんに会えて嬉しかったので笑っていた。