女将がビールを注いでまわる。私にはウーロン茶を注いでくれた。

注ぎ終わったところで女将は出ていき、ふすまが閉まったところで会長が話し始める。

「ようやく二人を会わせることができて良かった。乾杯しよう!」

グラスをかかげてから一口飲む。私はようやく少し落ち着いてきた。永森さんの顔が直視できず、下を向いて黙々とお料理を食べていた。

永森さんもムスッとしたままだ、上機嫌なのは会長とおじいさま。世間話をしながらお料理を口に運んでいる。