10分後、珍しく携帯のバイブが鳴る。

誰からか確認すると、おじいさま!

急いでトイレに行き電話に出る。

「おじいさまどうしたんですか?こんな時間に!」

「すまん、すまん。仕事中に。この前から言っていた食事の件なんじゃが、急で申し訳ないが、今日の夕方などどうじゃ!?」

永森さんとの約束もなくなっちゃったし、まぁ良いかな。

「おじいさま、大丈夫です。予定はありませんから!」

「うむ、そうかぁ?すまんのう。では、6時に本社まで来てくれんかの?」

「わかりました。うかがいます。では後ほど。」

電話を切り、今度は家に電話を入れる。みちこさんにおじいさまと食事をしてから帰ると伝えた。

そっと席に戻る。永森さんは気がつかないのか黙々とパソコンの画面を見ている。