確かに美術部は他の部活に比べたら活動なんて個人単位だし、時間を作ろうと思ったらどうにでもできる。

でもなぁ……。

ふと考え込んでいると文の最後の小さな『P.S』が目に入った。

『城田さんが頼りなの!!(>人<)』

頼り…かぁ。

今までの自分にない響きに少しウットリしてしまった。

みんな忙しいなら仕方がないよね。
それにこれがきっかけでクラスの子とも友達になれるかも!!
きっと何とかなるだろうし、男子のクラス委員と力を合わせたらきっと大丈夫!!


私がやらなきゃ!!


一大決心をして返事のメモを返す。

『わかったよ。クラス委員やるね!!でも立候補は恥ずかしいから推薦してくれる?』

前の方の席の彼女はメモを見ると私の方にOKサインを小さくして前を向いた。

「せんせーい!」
「おう、何だ竹内。」
「クラス委員に城田さんを推薦しまーす!!」

クラスの視線が一斉に私の方に集まる。

うぅ…この感じ、何だか嫌だなぁ…。

「城田、お前に推薦が出ているがどうだ?」
「あ、はい…引き受けます。」

私が小さく返事するとクラスに拍手が沸き起こった。
その瞬間ホッとする自分。

きっと…何とか…なるよね。

その後は男子のクラス委員を決めたけど男子は誰も立候補しない。
推薦もないし、話はずーっと平行線。

「仕方ない、クジで決めよう。これなら公平だ。」

痺れを切らした先生が提案した。
先生がA4のわら半紙に書いたアミダくじを男子が1人1人選ぶ。

そして…クラス委員になったのは…。

「男子クラス委員は黒澤ー、お前だ。おめでとう!」
「はぁ?俺?何で…はぁ…。」

隣の席の黒澤君は何か文句言いたげだったけど先生のクジの前ではみんな公平。
文句はため息へと変わった。

そんな黒澤君を見て私は一抹の不安を覚えた。

本当に何とかなる?
これから先大丈夫かな?

ウキウキだったはずの高2LIFEは少しの不安から始まることになってしまった。