「はい、ありがとう。」


先生があたしに携帯を返す。


「円香何て?」


気になりすぎて思わず聞いてしまった。



「“明日香を泣かせたら許さないからね”ってさ。」



円香が言いたいことってこれだったんだ…


気にしすぎたあたしがバカだった…



「やっぱり円香ちゃんには負けるよ…」



「…何で?」


「あーいや…いつか教えるよ。っていうか俺“大丈夫”とか答えたけど、既に泣かせてるしね。」



苦笑いの先生。

確かに泣いたけど、正直もうどうでも良い。



「あれは円香に黙っておきます。」



「お願いします。」