「叶わないなんて言っちゃダメ。気持ち伝えてみなきゃ分かんないじゃん。」



耳元で田辺の声がする。



「応援する、山本のこと。」



あたしを抱き締める腕にさらに力が加わった。



「だから…泣かないで。」




あたしは小さく頷いた。


すると田辺は抱き締めていた腕を離し、今度はあたしの肩に乗せた。



「俺も前に進めるように頑張るから、これからも幼馴染みとしてよろしくな。」


あたしは再び小さく頷いた。


田辺のふっ切れたような表情に安心した。


あたしも田辺のこと応援するよ…