「今ね…好きな人がいるの。 年上で、最初はその人が苦手だったのに… それなのに、気が付いたら好きになってて… でも知っちゃったんだ。 その人には好きな人がいるって…」 自然と涙が零れる。 「好きになればなるほど、 その事実に邪魔されて… でも諦められないの… 叶わないってわかってるのに…」 そう言い終えた瞬間、あたしは田辺の腕の中にいた。