こういう風に聞いてくれる先生は、つくづく紳士だと思う。 きっと先生からしてみればいつもと変わらない当たり前のことなのかもしれないけど…… こんなことに慣れてないあたしは 正直いちいちドキドキしてしまう。 ……璃…璃乃? かすかに聞こえるあたしを呼ぶ声。 『璃乃。出発するけど 大丈夫?』 さっき聞こえてたのは 先生の声だったんだ。