多分、俺は零緒に似ているこいつを放っておけなかったんだと思う。 救急箱を棚に戻し、ドアへ向かう。 「あの!神楽くん!!」 顔だけ女に向ける。 女はチョロチョロと俺の前までくると、でかい目で俺を見上げた。 「あたし、永倉雛子。」 「…あっそ」 この女のでかい目で見られるのは苦手で、すぐに目線を逸らした。 俺は、あんたが思うほど優しいわけじゃない。