溺愛中 -親子恋愛-



「ウソだぁ…。やだ…。やだよぉ
…お母さん。やだよぉ…」

どんなに泣き叫んでも、
お母さんは帰ってこない。

逝ってしまったのだから。

それでも、止むことのない涙。
枯れることのない涙。

来る日も来る日も、
泣き叫び続けた。

自分の本当のお父さんを、
名前は愚か、
顔すら知らないあたしにとって、

お母さんは唯一、

あたしが“守る人”だった。

大切な大切な存在だった。

“あたしはお母さんのために
生きている”

………決して大げさ
なんかじゃない。


本気でそう思っていた。