執事様とお姫様〜初恋〜



「仕事中だったか?」

「あ? いや?大丈夫だ」

「そうか…」

桜を背中におんぶし、
潤と対等に話をしながら、
制服姿で宮園家を
歩いている俺に、
嫌でも使用人共の視線は集まる。

「熱は?」

「37度ちょっとの微熱だけど、
桜…様の平熱は、35度だから、
ツラそうだ」

「……………そうか。ん―…で?
“お前”は、大丈夫なのか?」

「…………何が?」

俺?????

潤が、何を言いたいのか、
全くと言っていいほど、
わからなかった。