執事様とお姫様〜初恋〜



「…………」

朝食をいつものように
姫華の前に出した瞬間、
姫華は固まった。


………たぶん気づいてる。

「李玖…」

「ん?」

「……………。なんでもない。美
味しそうね。いただきます」

―――今日の朝食を作ったのは、
俺じゃない。

恭平だ。

俺が恭平を騙して、
作らせたんだ。


まぁ…たぶん気づかれては
いるだろうけど。

―――恭平に作らせたのは、
姫華の好物ばかりだったから…。