執事様とお姫様〜初恋〜



「………そ。頭の使いすぎでオー
バーヒートしたらしい」

「…………ガキか」

知恵熱って……。

―――この時ほど、
恭平をバカにしたことは
なかった。

「原因は、姫華?」

―――もうすぐだ。

姫華の“婚約者”が
現れるのは。


だから知恵熱を出したんだと、
俺は思い込んでいた。




「原因は、柚だってさ」

「……………は?柚!?」

衝撃発言に、不覚にも、
バカみたいにデカイ声を
出してしまった。


こんなに声を出したのは、
何年ぶりだろうか…。


本気でそう思うくらい、驚いた。