「ちょっと顔。貸してくれる?」 聞いたくせに、 有無を言わせずに、 連れてこられたのは、 麗奈の部屋だった。 (もちろん相部屋で、 2人で一部屋。 「何考えてるのよ?!」 部屋に入ってからの 一言目が、これだ。 「何って…仕事だけど?」 麗奈が本当に言いたいことは、 わかっていたけど… 俺はあえて、とぼけた。 とぼければとぼけるほどに、 麗奈の追及は増していくのに…。