―――話は少し遡って、
恭平が初めて、
主人である姫華に無断で
外泊をしたときの夜の話。



コンコンッ

―――もう結構いい時間で、
風呂からあがり、寝る支度を
しているときだった。

「はい?」

紗南(サナ)さんかな…。

………なんとなくだけど、
そう思った俺は、
風呂上がりで上半身裸のまま、
扉を開けた。