執事様とお姫様〜初恋〜











李玖の声は
あまりにも小さすぎて、
俺の耳には
届いていなかったけれど、


「俺は恭平がうらやましいよ…。
こんなに一途に想っていられるこ
とが…。想ってもらえていること
が―……」


………と、誰に言うでもなく、
“自分”に、言っている。

かのように…。


悲しみと憧れー…
そしてうらやましそうにー…

つぶやいた―…。