執事様とお姫様〜初恋〜



「お父さまが呼んでたよ。社長室
にいるから、来い。って」

「かしこまりました」

「…………。じゃあね」

「姫華様!!」

「……何?」

姫華が、今にも泣きそうな表情を
している気がして。

思わず、呼んでしまった。

「あ…いぇ。 なんでもありませ
ん。失礼します」

………だけど俺は、執事だ。

姫華は主人。


とやかく言えることじゃない。
言える立場じゃない。

言える関係でもない。