婚約者は悪魔様!?〜絶対服従love〜



「そこに適当に座れ。何を飲む?
俺は、コーヒー」

「…………ぇ……」

ソファーに座ったところまでは
よかったんだけど…。


次の問いかけには困った。

まさか人様の家
(しかも吸血家)で
“紙血”なんて…
言えるわけがない。


どうしよう…。


「紗緒梨? 聞いてる?」

………紗緒梨????

なんで名前知って…????


あたし……。
言ってないよね!?


………って!!

今はそれどころじゃないッ!!!!

「あ…。えっと……ありがとうご
ざいます。でも…大丈夫です」

そう、答えるのが、
いっぱいいっぱいだった。


「いらねぇの?」

「はい」

本当は喉、カラッカラ!!

だけど…紙血は飲み干した
(またかよ(笑))から、ない!!


(まぁ…あってもこんなところで
飲む度胸なんてないけどね)


「ふーん? じゃあ、コーヒー、
一つな」

「かしこまりました」

そう言ってメイドさんは、
部屋を出て行った。