「おい」 ビクン!! 声をかけると、 “大げさじゃね…?” ってくらいの反応を見せた、 紗緒梨。 「な…何ですか…????」 「今から時間、あるか?」 「か…構いませんが…」 「じゃあ…ついて来い」 「はい……」 「乗れ」 「お…お願いします…」 門の前で車に乗せ、家路につく。 車に乗っている間、 ずっと考えていた。 紗緒梨が今、車内にいる理由。 ビクついている理由。 何も言わず俺に従う理由。 敬語の理由をずっと―…。