目があったまま動かない、
俺らを見て担任が、


「相楽君と北村さん、知り合いなの?」

と、言った。


「ちが「そうですね」

紗緒梨は、
“違う”と言いかけた。

だけど俺は、
それを遮り、答えた。


「じゃあ…赤谷君!!席、廊下側に移動してもらえる?」

紗緒梨は必死に目で、
赤谷?とかってヤツに
訴えているように見えた。


露骨すぎだろ。

わかりやすい女だな。


「いいですよ」

赤谷がそう言った途端、
何とも言い難いオーラが、
紗緒梨の体をまとった。