「紗緒梨は…どんな女だ?」
そう聞いた瞬間…
東の表情が変わった。
笑顔は笑顔でも、
今までとは違う笑顔―…。
どこか悔しそうで…
どこか嬉しそうで…
どこか悲しそうな―…
なんとも言い難い表情。
俺がその理由を知るのは、
もう少し先の話だ―…。
「それはご自分の目で確かめればいいのではないでしょうか」
だがそれはすぐにいつもの
“執事の東”の表情に戻り、
そう言った。
「………。 お節介なヤツだな。
まぁ…それがお前のイイトコロでもあるのか…」
思わず本音が漏れた。
東は基本、お節介。
だけど…憎めないいいヤツ。
「さお…彼女が通っている高校がわかりましたよ」
「……………高校?」
人間界の高校に
通ってんのかよ…。
まさか…かなりの年下か?
親父とお袋みたいに、
400離れてるとか、
ぜってー、ヤだ。
冗談じゃねぇぞ…。