誰もいない教室から空を見上げる。




雲が流れていく中、空からは雪ではなく太陽の光が降り注ぐ、12月の午後5時過ぎ。



もうすぐでクリスマスだというのに、今年もまた一人で過ごすだろうという思いを心に残し、教室から出ていく。



テニス部の横を通り、足早に進んでいく。



ふわふわの長い髪が風に揺れ、夕焼けの空が彼女を照らし、少し赤くなったほっぺた。


周りの人が見とれてるとも知らず、学校を出て行く。





はぁ・・・ 今年も一人か。
学校も休みやき
あいつに会えん・・・





莉緒は、12月が始まろうとしたとき、京夜と別れた。





急に家に来て、別れようと言われたきり、京夜とは話していない。


別に一人のクリスマスが嫌だとか莉緒にはそんな思いなかった。

ただ・・・





京夜と一緒に居ることができないのが寂しかった。

京夜と居ると楽しいし、安心する。

不安なときも、幸せなときも、全部京夜が居たから。





恋というものは

どうしてこうも


あっけなく終わってしまうのだろう・・・









―12月 24日 クリスマス イヴ


莉緒は、今日もまた一人で家に居る。




父は大事な会議があるらしく、朝から家に居なかった。



母は友達とどっかに行くとか言って、お昼から出て行った。





あーぁ
暇やき・・・
でも宿題は嫌やぁ






宿題をやらなくちゃいけないとは分かってはいるものの、一向に手をつけようとしない。






♪♪♪~

「∑びくったぁー」




ぼーとしていた莉緒に一通のメールが来た。