ファリナはライラックを見下ろしながら返答を待った。
それに対してライラックは右手を伸ばし、自分の黒ローブの右腰あたりにあるポケットに手を入れた。
『これのおかげかな。』
歩きながら言った後、ポケットからまだ小さい手のひらに収まるほどの円形状の金色の懐中時計を取り出した。
『時計?!』
ファリナは意味が分からないっといった表情で首を傾げた。
見ると、上の蓋の表面には細かく一匹の龍の細工が施されており、上部にあたるところからは懐中時計と同じ色の、金色の長い鎖が付いている。その鎖は手の指の間から下方に垂れ下がっている。
ライラックは金色の懐中時計の蓋を開け、平行に歩いているファリナに中の時計を見せた。
『…?!…この時計、針が止まってる…』
ファリナは、すぐに気づいた不審な一点を言葉に出した。
懐中時計の2本の長短の針が、全く動く様子もなく、上下を差し停止しているのだ。
ライラックはファリナの指摘に間髪入れず、
『この懐中時計は身代わりの魔時計って呼び名で、これに触れている者には一切時を操る魔術は利かないんだよ。魔術をこの身代わりの魔時計が吸収してしまうからね…』
それに対してライラックは右手を伸ばし、自分の黒ローブの右腰あたりにあるポケットに手を入れた。
『これのおかげかな。』
歩きながら言った後、ポケットからまだ小さい手のひらに収まるほどの円形状の金色の懐中時計を取り出した。
『時計?!』
ファリナは意味が分からないっといった表情で首を傾げた。
見ると、上の蓋の表面には細かく一匹の龍の細工が施されており、上部にあたるところからは懐中時計と同じ色の、金色の長い鎖が付いている。その鎖は手の指の間から下方に垂れ下がっている。
ライラックは金色の懐中時計の蓋を開け、平行に歩いているファリナに中の時計を見せた。
『…?!…この時計、針が止まってる…』
ファリナは、すぐに気づいた不審な一点を言葉に出した。
懐中時計の2本の長短の針が、全く動く様子もなく、上下を差し停止しているのだ。
ライラックはファリナの指摘に間髪入れず、
『この懐中時計は身代わりの魔時計って呼び名で、これに触れている者には一切時を操る魔術は利かないんだよ。魔術をこの身代わりの魔時計が吸収してしまうからね…』

