だが、その声を聞いて少し安心してしまった。
安堵したファリナはゆっくりとまぶたを開く。
瞳に映った光景は先ほどと変わらない筈だったのだが、違和感をファリナは感じていた。
真横にいるライラックの顔をチラッと見ると、また慌てて周囲を見渡した。
『……み、みんな、動いてない…なんで…?!』
目を大きく見開いたままファリナは力弱く呟いた。
ファリナの言うとおり、瞳に映る全ての人が、あの光に包まれる前の姿で止まっているのだ。この広場で行き交っていた人々から、痴話喧嘩をしていた若いカップル達まで、そしてこの広場から四方に広がる大通りに歩いている人すべてまでもが…。
この街の人々の"時"が止まったかのように、全く動く様子すらない。
一体何をどうすれば、こんなことになるのか…
ただ、ファリナの脳裏にある光景と重なって見えた。
あのクリキスの街で見た-白き魔術士の屋敷の地下で見た街の住人達の姿と…。
『あの時と、同じ…お母さんや街の人達と同じじゃない!!……まさか?!あいつが…』
ファリナは悔しさの籠もった表情を浮かべながら、歯を噛みしめた。
安堵したファリナはゆっくりとまぶたを開く。
瞳に映った光景は先ほどと変わらない筈だったのだが、違和感をファリナは感じていた。
真横にいるライラックの顔をチラッと見ると、また慌てて周囲を見渡した。
『……み、みんな、動いてない…なんで…?!』
目を大きく見開いたままファリナは力弱く呟いた。
ファリナの言うとおり、瞳に映る全ての人が、あの光に包まれる前の姿で止まっているのだ。この広場で行き交っていた人々から、痴話喧嘩をしていた若いカップル達まで、そしてこの広場から四方に広がる大通りに歩いている人すべてまでもが…。
この街の人々の"時"が止まったかのように、全く動く様子すらない。
一体何をどうすれば、こんなことになるのか…
ただ、ファリナの脳裏にある光景と重なって見えた。
あのクリキスの街で見た-白き魔術士の屋敷の地下で見た街の住人達の姿と…。
『あの時と、同じ…お母さんや街の人達と同じじゃない!!……まさか?!あいつが…』
ファリナは悔しさの籠もった表情を浮かべながら、歯を噛みしめた。

